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横浜に縁持つ二人の名手、挑戦するは未踏の音世界。
　不思議なことですが、同じ地に縁を持つ同じ世代で、突出して優れたアーティストが次々と出現する現象が、音楽業界ではしばしばみられます。近い年齢で、共に横浜に縁を持つ、ヴァイオリニスト・山根一仁とピアニスト・阪田知樹のふたりも、まさにこれが当てはまる世代かもしれません。
　共通して、若い頃から国内外のコンクールを次々制覇し多くの巨匠と共演、天才として注目されつつ、それに驕らず、たゆまぬ真摯な音楽探求によって、今や見事に独自の「道」を切り開いている二人。フィリアホールではそれぞれがこれまで別のステージに立ってきましたが、今回ついに共演が実現します。
　開館以来続いてきた「土曜ソワレシリーズ《女神との出逢い》」の後継となる新たな「土曜マチネシリーズ」。これまで以上に幅広い優れたアーティストを紹介する新シリーズの記念すべき第1回を任せるに、これほどふさわしいアーティストはいないと、強い確信を持っています。友人同士である二人が考え抜いた、厳選されたプログラムで、息の合ったアンサンブル、丁々発止のエキサイティングな対話を、ぜひお楽しみに！

ヴァイオリン◎山根一仁
ピアノ◎阪田知樹

J.S.バッハ◎無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001（ヴァイオリン・ソロ）
ストラヴィンスキー◎イタリア組曲
武満徹◎妖精の距離
リスト◎巡礼の年 第2年「イタリア」より ペトラルカのソネット 第104 番（ピアノ・ソロ）
クルターグ◎3つの小品 Op.14e ほか