
©Harald Hoffmann - copyright Fondation Long-Thibaud
ロン=ティボー国際コンクール優勝。
音楽から一度距離を取ったからこそつかめた、どこまでも自由な世界
今回出演のピアニスト・三浦謙司のプロフィールで際立っているのは、実はアルゲリッチが審査員長を務めたあのロン=ティボー国際コンクールで優勝したこと(2019年、同年の第2位は務川慧悟)ではなく、13歳で渡欧し名門学校で学んだことでも、名だたる難関音大に同時合格したことでもなく(もちろん、それらは極めて素晴らしいことです!)、道半ばに一度音楽の道を離れ、2年後に戻ってきた…という箇所ではないでしょうか。それだけであれば、これだけ演奏家があふれている昨今、ちょっと珍しいだけのピアニストがまた一人…と思われてしまうかもしれませんが、三浦謙司が凡百の演奏家に対して頭一つ抜きん出ているのは、彼がその果てに到達して獲得した、自由な演奏表現と、独自の哲学によるものです。
当然演奏技術は世界最高水準として、彼はその上の次元で、我々が何となく「この曲はこう演奏するだろう」と思い込んでしまっていた表現の固定観念を、軽やかに刷新します。しかもそれは珍奇なこけおどしでなく、むしろ「本来このように演奏すべきだったのかもしれない」と思わせる説得力と真のセンスの良さを備えています。これは簡単なようでいて、実は音楽から一度距離を取って、世界、人間、芸術について改めて真摯に向き合ったアーティストにしかなしえないものです。
今回、彼はプログラムのテーマを「天と地」とし、誰もが知る名曲をメインに構成しつつも、演奏頻度の低いゴドフスキーの傑作を含む独特な組合せを提示します。「月」と「星」にちなみそうな「天」の曲と、野趣溢れる「地」の舞踏を表すであろう曲が混じる、独特なプログラム。このプログラミングの妙は、一本筋が通った明確な哲学がなければまず思いつくことはできないでしょう。ここから演奏でどのような世界を見せてくれるのか?「気鋭の若手」という表現に収まり切れない才能。もっともっと知られてしかるべきピアニストです。
ピアノ◎三浦謙司
【プログラム】
天と地
ベートーヴェン◎ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
ドビュッシー◎ベルガマスク組曲
バルトーク◎ルーマニア民俗舞曲 BB.68
ゴドフスキー◎「ジャワ組曲」より クラトンにて
モーツァルト◎きらきら星変奏曲 K.265
ガーシュウィン◎ラプソディ・イン・ブルー
音楽から一度距離を取ったからこそつかめた、どこまでも自由な世界
今回出演のピアニスト・三浦謙司のプロフィールで際立っているのは、実はアルゲリッチが審査員長を務めたあのロン=ティボー国際コンクールで優勝したこと(2019年、同年の第2位は務川慧悟)ではなく、13歳で渡欧し名門学校で学んだことでも、名だたる難関音大に同時合格したことでもなく(もちろん、それらは極めて素晴らしいことです!)、道半ばに一度音楽の道を離れ、2年後に戻ってきた…という箇所ではないでしょうか。それだけであれば、これだけ演奏家があふれている昨今、ちょっと珍しいだけのピアニストがまた一人…と思われてしまうかもしれませんが、三浦謙司が凡百の演奏家に対して頭一つ抜きん出ているのは、彼がその果てに到達して獲得した、自由な演奏表現と、独自の哲学によるものです。
当然演奏技術は世界最高水準として、彼はその上の次元で、我々が何となく「この曲はこう演奏するだろう」と思い込んでしまっていた表現の固定観念を、軽やかに刷新します。しかもそれは珍奇なこけおどしでなく、むしろ「本来このように演奏すべきだったのかもしれない」と思わせる説得力と真のセンスの良さを備えています。これは簡単なようでいて、実は音楽から一度距離を取って、世界、人間、芸術について改めて真摯に向き合ったアーティストにしかなしえないものです。
今回、彼はプログラムのテーマを「天と地」とし、誰もが知る名曲をメインに構成しつつも、演奏頻度の低いゴドフスキーの傑作を含む独特な組合せを提示します。「月」と「星」にちなみそうな「天」の曲と、野趣溢れる「地」の舞踏を表すであろう曲が混じる、独特なプログラム。このプログラミングの妙は、一本筋が通った明確な哲学がなければまず思いつくことはできないでしょう。ここから演奏でどのような世界を見せてくれるのか?「気鋭の若手」という表現に収まり切れない才能。もっともっと知られてしかるべきピアニストです。
ピアノ◎三浦謙司
【プログラム】
天と地
ベートーヴェン◎ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
ドビュッシー◎ベルガマスク組曲
バルトーク◎ルーマニア民俗舞曲 BB.68
ゴドフスキー◎「ジャワ組曲」より クラトンにて
モーツァルト◎きらきら星変奏曲 K.265
ガーシュウィン◎ラプソディ・イン・ブルー
- 時間
- 14:00開演(13:15開場)16:00終演予定
- 料金
- S¥4,000 A¥3,000
- 対象・定員
- 【定員】500名
- お問い合わせ
- フィリアホールチケットセンター
045-982-9999
情報更新日:2023/9/5
会場情報

青葉区民文化センター フィリアホール
詳細- 所在地
- 横浜市青葉区青葉台2-1-1 青葉台東急スクエアSouth-1 本館5階
- 最寄駅
- 青葉台(東急田園都市線)
- 休館日
- 毎月第3水曜日、年末年始12/29-1/3
- 子連れ関連情報
-
おむつ交換台
【備考】
South-1 本館 4階に「エンジェルスペース ベビー休憩室」(給湯器をはじめ、女性専用授乳室、ベビーベット、おむつ用ゴミ箱、飲料自販機、簡易遊び場、子供用トイレ、ソファ) South-1 本館1階とSouth-2 1階にコインリターン式のベビーカー(レンタル可能時間 10:00-21:00、ご利用当日に必ずお戻しください/ご利用にあたっての詳細は青葉台東急スクエアの施設案内ページをご確認下さい) - バリアフリー情報
-
【備考】
South-1 本館 1階に「多目的トイレ」
地図