親が深呼吸できるイベント 3歳までの「紙あそび・お絵かきあそび」

レポート 体験する・つくる 子ども向け 学ぶ・知る

紙あそび・お絵かきあそび
子どもといろいろなことをして遊びたいのに、気付けば毎日同じことの繰り返しになってしまって、だんだん煮詰まっていたりしませんか?

なにか楽しいことはないかな…子どもが夢中になって遊べるようなアイディアってないかしら? そんなことを考えている人にぴったりのイベントがあると聞き、2020年1月の末、桜木町にある「横浜市民ギャラリー」を訪れました。


この日は、1歳6ヶ月〜3歳の子どもとその保護者を対象とした「親が知っておきたい〜紙あそび・お絵かきあそび」というイベントを開催。

会場になった4階のアトリエに入ると、すでに巨大な白い紙が床一面に広げられていました。

巨大な白い紙に大人でも少し気分がアガります


大容量の荷物棚。何かと物の多い子連れのお出かけでもストレスなく使えます


まず最初に手渡されたのは、1冊のカラフルな冊子。

子連れのイベントだと、わが子に気を取られている間に内容を見失うなんてこともありがちですが、これさえあれば、多少聞き逃しても大丈夫そうな安心感があります。

講座の内容がダイジェストになっている冊子。写真も多く、当日の様子を思い出しやすい内容

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帰宅した後も簡単に講座を振り返ることができるので、この冊子をもらえただけでも参加したかいがあります。

もちろん、ベビーカーのまま来場OK! 会場内なので、荷物も乗せたままにしておけます


この日の参加者は総勢で12組23人。

スペースは狭すぎず、広すぎず、少しでも参加者がリラックスできるよう、十分すぎるほど、道具が用意されていたのが印象的でした。

講師の横田佳子さんは「子どもは両手に筆を持とうとすることがよくあります。だったらその分、道具を多く用意すればいい。そうすればストレスなく遊べますよね」と笑顔で言います。

確かに子どもたちが道具の奪い合いをすることもなく、終始穏やかな雰囲気。

各所にさりげなくスタッフが配置されているので、「触っちゃダメ!」と親が思わず言いたくなるような状況にもなりにくいので、そこには親が心からリラックスできる環境が整えられていました。

 

例えわが子がじっとしていなくても、講師の話に耳を傾けられる環境

 

親がリラックスしていられるから、子どもたちも自然とリラックス



さて、講座は紙あそびからスタート。まだ上手に紙をちぎったり折ったりできない年齢の子どもたちと紙でどう遊ぶのか。

そのアイディアがものの数分でどんどん披露されていきます。

色紙を丸める。丸めた色紙は何に見えるかな?

 

最初はママのおひざの上で。お家で紙あそびをしない子も、ほかの子たちに刺激されて、次第に手を出し始めます



横田さんいわく「子どもって親が頑張って準備してホラ! って差し出しても全く手を出さないこともありますよね(笑)。この場では手を出さなくても、やっている子たちを見るだけで刺激になるんですよ」とのこと。

思い思いの世界観で夢中になって遊ぶわが子を観察できる貴重なチャンス



でも自宅でこれをやったらお片付けが大変そう…という思いが頭をよぎる頃、横田さんが手にしたのは透明なビニール袋。なんと楽しく片付けるアイディアまで伝授してもらえるという、完璧な流れに感動すら覚えました!


紙を集めたビニール袋はあっという間に、子どもたちに大人気のおもちゃに変身。こんなのでいいの!? と驚くほど簡単で、もはやマジックを見ているような気分に。

一瞬で子どもたちの心をつかんだビニール袋のおもちゃ。子どもが大好きなものって、家にあるもので簡単に作れるようです



さて、次はお待ちかねのお絵かきです。

子どもたちが思い思いにクレヨンに取り組む中、保護者は横田さんが紹介するスライドを見ながら、たくさんのアイディアを伝授してもらいます。

親も子どものストロークでお絵かきしてみると、また新しい発見が

 

子どもたちが大好きなシールも好きなだけ! 「初めまして」な子どもたちも、気付けば一緒に遊び始めます

 

カラフルなシール、親が書いた絵、大きな紙をとめているガムテープ。子どもは、何かの「きっかけ」を見つけると、「その上に」夢中になって描き出すそう

 

親が自分で用意したとしたら、こんなに大きな紙を用意したのに…! と思いそうですが、このガムテープも立派な「きっかけ」



3歳くらいまでの子どもたちにとって、お絵かきの楽しみの一つが「画面の変化」なんだそう。

クレヨンで描いた「きっかけ」が満載のキャンバスに、最後はお待ちかねの絵の具が登場します。

それぞれ思い思いの色を選ぶ子どもたち。もちろんおかわりOKです

 

子どもといえば、二刀流! 好きなだけ筆を使わせてくれます

 

ついには両手も絵の具に! 当日は汚れても大丈夫な服装、もしくはスモッグや着替えを持参するのが、穏やかな気持ちでいられるポイントです(笑)



まだ手づかみ食べをする年齢に考慮して、子どもたちが描いてちゃんと楽しめるけれど、手や洋服についても落としやすいよう、絵の具はサラサラの状態に薄められていました。

また、汚れるのが苦手な子どもでもお絵かきが楽しめるように、水だけで描ける不思議な紙も登場。

当日、絵の具を嫌がるお子さんはいませんでしたが、最終的にはこちらも大人気に。

自宅で遊ぶときに、絵の具の汚れを気にしないで良いうえ、描いた部分の発色の良さにびっくり!

水だけでこの発色! 思わず筆先を見つめてしまう気持ちも分かります

 

元々は書道用の商品だという「水書きグー」。この日は5色も登場しました。しばらくすると乾いて元どおり、何度でも遊べます

 

気付けば足先までカラフルに! クレヨンは落ちやすい水性のものを使用しているそう。裸足で活動するので、拭き取りシートなどを持参すると帰り支度がスムーズかも



次々に登場する遊び道具はどれも子どもたちの心を掴み、気がつけば全身カラフルに染まっている子もたくさんいました。

イベントが終わる頃、子どもってこんなにも夢中になって遊ぶのか…と驚くと同時に、「あれ、私、この1時間半、怒ってない」と気付いた保護者の方も多かったのではないでしょうか。

親が穏やかな気持ちで子どもを解放してあげられる場所が、親にとっても子どもにとってもこんなにリラックスできるとは、と改めて気付かされた気がしました。
「保護者の方が深呼吸できる場所にしたいですね」と横田さんは言います。


2020年6月にも同様のイベントが開催されますので、「どこかに遊びに行かなくちゃ…!」とプレッシャーを感じている人はぜひ、子どもたちと深呼吸をしに、足を運んでみては?
その後のおうち遊びが、きっとさらに楽しくなると思いますよ。


■2020年6月25日(木)開催「親が知っておきたい~紙あそび・お絵かきあそび~」


<今回の講師>

横田佳子 / 横浜市民ギャラリー 鑑賞教育エデュケーター

2003年、東京学芸大学大学院 教育学研究科 美術教育専攻修了。親子が楽しそうに、穏やかにお絵かきをする姿に心を奪われ、知識を深めたい欲求から、保育士、幼稚園・小学校・中学校(美術)・高校(美術)教員免許を取得。現在は横浜市民ギャラリーで鑑賞教育エデュケーターとして、定期的に親子がリラックスできるお絵かきイベントの講師を務める

取材・文・写真/やまだ ともこ

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