ようこそ区文へ!vol.1 ~ 横浜市旭区民文化センター サンハート

アートスポット レポート

横浜市には、10の区に区民文化センター(区文)があるのをご存じでしょうか?

区文は、それぞれの地域に根ざした個性ある文化の創造のために作られ、人々の芸術文化活動やネットワークづくり、社会参加の場としての役割を担っています。さらに現在、港北、瀬谷、都筑の3区でも、区文の整備が進められています。

そんな各地域の文化活動拠点である区文を、この【よむナビ】でご紹介していきます。

 

第1回は、横浜市旭区民文化センター、愛称「サンハート」です。

1990年、横浜市の区文 として最初に開館し、今年30周年を迎えました。長年、地域に愛されて続けてきた場所、そしてそこに集う人たちを訪ねました。

 

事業担当者の柏本さん(左)と福谷さんが案内してくれました

 

相鉄線・二俣川駅に直結したビルの5階にある「サンハート」、駅から雨にぬれずに行けるし、帰りにお買い物もできるしと、とても便利な立地です。

5階でエレベーターを降りると中庭からの自然光が明るく差し込んで、とても広い空間が広がっています。ここに「ホール」(300席)、「音楽ホール」(103席)、「アートギャラリー」、「ミーティングルーム」、「カルチャー工房」、「音楽工房」といった施設が備わっています。

 

二俣川ライフ4階からは螺旋階段でつながっています

 

受付では旭区のマスコット「あさひくん」がマスクを付けてお出迎え

 

各区の区文では、地域の特性を生かした自主事業を実施し、多くの人が芸術文化に触れる機会を提供しています。サンハートでは、今年30周年を祝う記念のコンサートや事業がたくさん企画されていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大のために来年に延期となりました。

 

30年の歴史のなかで人気を博し続けた企画は何かと福谷優希さんにお聞きすると、「映画」と「落語」、そして「ジャズ」という答えが返ってきました。

 

「旭区は横浜市の中で高齢化ランキング2位の区なんです。ですからシルバー層の方はホールに大スクリーンを設置して往年の映画を上映する『あさひ名画座』と、これまで68回も開催された『あさひ亭まねき寄席』を楽しみにしてくださっています」

 

『あさひ名画座』を主催するのは市民に募集して集まったサンハート区民企画委員会。地域のみなさん自身が企画・実施に携わっています。

 

そしてジャズを愛する方たちが多いのも地域の特色で、これまでジャズのコンサートも人気を博してきました。30周年記念のジャズ公演(2021年度開催予定)には、1994年に開催されたサンハート主催のジャズ公開講座がきっかけで誕生した社会人ビッグバンドが登場します。地域とともに30年の歴史あってこその新しい企画です。

 

*2019年7月1日に開催された「ワンコインコンサートvol.10」。第7回サンハート・アンサンブル・オーディションで優秀賞を受賞したEnsemble Reise (アンサンブル ライゼ/木管五重奏)が出演

 

サンハートでは、地域の文化活動に貢献する新進アーティストの支援も積極的に行っています。

そのひとつが、「サンハート・アンサンブル・オーディション」です。2012年にスタートして今年9回目を実施しているオーディションで、毎年「室内楽」「歌とピアノ」などの部門を決めて募集、入賞者はサンハート主催の「最優秀賞受賞コンサート」や「ワンコインコンサート」、また地域各所でのアウトリーチコンサートに出演する機会が与えられます。

 

*演劇にも力をいれており、「サンハート演劇祭」を2012年度から実施。市民から募集した参加者が稽古を経て舞台に立ちます(2019年11月撮影)

 

区文のもうひとつの魅力は、区民が気軽に利用し、日常的に文化活動を行う場となっていること。

取材に訪れたこの日も、平日の午後ながら、利用者がひっきりなしに行き交っていました。みなさんがどのようにサンハートを利用されているのか、少し拝見させていただきました。

 

「音楽ホール」は客席数103席と小さめですが、天井が高く、ピアノ・弦楽器・木管楽器等のアコースティック音楽の公演などに最適な音楽専用のホールです。ここで最近、大人気なのが「スタインウェイを弾いてみませんか?」という企画。このホールの舞台上でスタインウェイ社のフルコンサートグランドピアノを弾くことができるとあって、申し込み受付日には電話が鳴り止まないほどの人気なのだとか。 利用されていた方に、お話をうかがってみました。

 

「サンハート音楽ホールのスタインウェイを弾いてみませんか?」を利用する塙 由理子さん

 

電車で3駅ほどの上星川から来られた塙 由理子さんは、このピアノの大ファンで、週に1〜2回利用されています。「自宅の楽器は電子ピアノなので、このスタインウェイはタッチも音色もまったく違います。ぜいたくな練習の時間です。このすばらしいピアノをきれいに鳴らせるようになりたいです」と話します。ハノンの指ならしから始めて、バッハのインヴェンション、ジブリの曲などを練習されていました。

 

「サンハート音楽ホールのスタインウェイを弾いてみませんか?」を利用する渡邊恵美さん

 

ピアニストの渡邊恵美さんは、車で15分ほどの距離の長津田にお住まいで、自宅でピアノ教師もされています。4年前にこの「音楽ホール」でのコンサートに出演して響きの良さに魅了されました。それ以来ほぼ毎月利用されています。「客席にお客さまがいることを想像しながら、そこに伝わるような演奏を探すことができます。12月のリサイタルに向けて、このスタインウェイでたくさん練習をしたいです」と話してくれました。

 

サンハートには「音楽工房」という名前のレンタル防音室が4部屋あり、様々な音楽の練習に利用されています。1室にはグランドピアノが、3室にはドラムセットとアンプ等があるので、ピアノ練習、コーラス、バンド練習など、この日も入れ替わり立ち替わり、利用者が訪れていました。

 

ケーナを練習する村上悦子さん。「緑園都市駅の自宅からは通いやすく、安全で清潔な環境も気に入っています」

 

そんなひとり、村上悦子さんは、週に3回ほど7年近く通う常連です。施設のスタッフとも親しげに挨拶をかわしています。ケーナ(笛)、チャランゴ(弦楽器)といった南米音楽の楽器の練習に利用しています。村上さんは9年前にご家族を事故で亡くされ、以来音楽に打ち込むようになったそうです。

 

「悲しい出来事を忘れるために音楽に打ち込んできたのですが、この練習室の環境がとても気に入って、週に何日も通って練習しているうちにいつのまにか立ち直れていました。ここで楽器を練習することはすっかり私の生活の一部になりました」と笑顔で語ってくれました。

 

『カルチャー工房』での「クリエイティブバレエ」の活動風景

 

夕方になると「カルチャー工房」に子どもたちが集まってきました。週に2回ここを借りてモダンバレエ教室「クリエイティブバレエ」の活動が行われています。フローリングの床と鏡、レッスンバーを備えている広いこの部屋は、ダンス・演劇・合唱の練習に最適のため、バレエやフラダンス、ヒップホップダンスなど様々なグループが利用しています。中庭に面した窓越しに部屋の様子がみえるので、その活動に興味を持った時には、受付にある利用団体情報カードを閲覧して問い合わせ先などの情報を入手することもできます。地域のグループ活動に欠かせない場所となっているようです。

 

ここサンハートは子どもから大人まで、プロの研鑽から趣味や習い事のためなど、様々な人が思い思いに利用していて、地域の人たちの生活の中にある場所だと実感します。

二俣川駅の再開発やタワーマンションの新設(2018年)、相鉄・JR直通線開業(2019年)と、サンハートを取り巻く環境はますます便利に変わっています。今後、住民の年代構成や 生活・行動にも変化があるかもしれません。

 

そんな過渡期に30周年を迎えた今、これからの取り組みについて柏本友美子さんにお聞きしました。

「地域の若いひとたちや子育て世代にもっとたくさん来ていただくことが課題です。特に子どもたちに本物の良さを体験してもらう場所にしたいと思って、以前から実施している『すくすくキッズプログラム』に体験型ワークショップを取り入れたり、『えほんコンサート』を企画したりしました。子どものうちに家から近い場所で舞台を観たり聴いたりする体験をすることで、地域の未来が豊かになると思っています」

 

地域の特性に根づいた人気企画は大切にしつつも、30周年を機に、新しい企画にもチャレンジしている未来志向の姿がサンハートにありました。

 

●Information

横浜市旭区民文化センター「サンハート」

➤アクセス 相鉄線二俣川駅下車 徒歩2分 二俣川ライフ5F

➤WEBサイト http://www.sunheart.info/

 

●Event

横浜市旭区民文化センター「サンハート」でこれから開催されるアートイベントは こちら

 


サンハート近くのおすすめスポット

「SOTETSU GOODS STORE」

 

 

相鉄線 二俣川駅構内にある「SOTETSU GOODS STORE」には、「相模鉄道キャラクターそうにゃん」グッズがたくさん。そうにゃんファンはもちろん、鉄道愛好家や、小さなお子様まで、幅広い方々が毎日たくさん訪れ、相鉄オリジナルグッズを手にいれて笑顔になっています。

 

➤WEBサイト https://www.sotetsu.co.jp/fan/goods-store/
※営業時間など詳細は、公式WEBサイトをご確認ください

 

写真左:そうにゃん ピョコノル/写真右:つり革ラバーキーホルダー しましまバージョン

 


取材・文:猪上杉子
写真:大野隆介(*印の写真以外)

 

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