JR根岸線の本郷台駅から3分ほど歩くと、まるで宇宙船のような大きな複合施設「地球市民かながわプラザ」があらわれます。その一角に「リリス」はあります。館内には、豊かな響きが自慢の300席のホール、美術作品などの展示のためのギャラリー、音楽練習や小さな発表会ができる音楽ルーム(大スタジオ)、練習室(スタジオ)、会議室が備わり、多様な文化芸術活動や鑑賞の場となっています。
利用者、来場者にはお元気そうなシルバー世代の姿が多く見受けられます。聞けば栄区は横浜市内で一番の高齢化率ですが、要介護認定率は一番低いという数字があるそう。そしてもうひとつの栄区の特徴は、横浜市内第2位の「緑被率」、つまり森や公園の面積の大きさです。駅からリリスまでは平坦な道ですが、少し歩くと坂道が多く、公園や森、ハイキングコースもあるほど自然豊かな環境です。
「リリスを利用される方は、本当にお元気で文化芸術活動に積極的な方が多いんです。きっと緑豊かな自然環境と文化芸術を愛して、生活を楽しんでいる方々が来てくださっているんだと思います」と、スタッフのみなさんが口を揃えて言います。特にホールは利用者も鑑賞に来る方もリピーターが多く、駅に近いことから市内全域、また近隣の鎌倉市や藤沢市からも来訪しているそう。
リリス事業担当の佐藤貴義さんは「ホールの音響には定評があって、リリス主催のピアノリサイタルや室内楽コンサートの他、地域の方々の発表会や練習などで利用され、貸し出し日程の予約は100%近く埋まっています。響きの良さに加え、搬入出の利便性の良さから、CD制作などの録音に使用されることも多く、これまでに多数のクラシック系レーベルからリリスで収録したCDが販売されています」と嬉しそうに話してくれました。
新型コロナウイルス感染防止対策も全館をあげて行なっています。昨年春の緊急事態宣言での休館後、6月に開館した際に「リリスモデル」という独自のガイドラインを策定しました。湘南鎌倉総合病院の小林修三医師の監修のもと策定した感染症拡大防止に向けたスタイルを利用者・来場者に協力してもらっています。真剣な対策が利用の安心感につながっています。