JRと横浜市営地下鉄の戸塚駅からほど近い、戸塚区総合庁舎の3、4階に「さくらプラザ」はあります。2022年2月10日〜12日の3日間にわたって開かれた「春の芸術祭2022」は、さくらプラザの全館を使って開催される大きな年間イベントのひとつ。ホールでのコンサート出演者、ギャラリーでの出展者、マルシェでの販売主は、横浜を拠点として活動している個人・団体であることを条件に、昨秋募集されました。
企画・制作・広報を担当する山上さんは、「『大人の文化祭』のような行事です。昨年は開催できず、2年ぶり6回目の開催の運びとなりました。昨年の秋頃から準備をしてきたので、今日の賑わいはとても嬉しいです」と話しながら、会場のあちらこちらを駆け回っていました。
2月12日の午後、「さくらプラザ・ホール」では6組の出演者によるコンサートが開幕しました。トップバッターのRyutaさんはキーボード奏者でシンガーソングライター。「さくらプラザ」の推薦で出演したアーティストの1人です。この日は、ロングジャケットに白いパンツのスタイルで、『愛の讃歌』など3曲を自身のアレンジで弾き、喝采を浴びました。
演奏を終えたRyutaさんにお話を聞くと、戸塚でのコンサート出演は初めてだそうですが、明治学院大学の横浜キャンパスが戸塚にあったため、通学した縁のある地とのこと。
「戸塚はとても穏やかで温かい街だといつも思います。学生時代にお世話になったこの街に演奏でご恩返しをしたいなと思っています。エフエム戸塚のパーソナリティを務めた経験もありますので、これからもどんどん戸塚との縁を深めていきたいですね」
このコンサートに出演する6団体は、クラシック音楽や、民族音楽、ゴスペルなど、その演奏スタイルやジャンルも様々。エフエム戸塚パーソナリティでもある松村優吾(指揮・ピアノ・作曲)さんと井出司(テノール)さんが司会を務め、出演者を紹介したり普段の活動の様子や戸塚区とのゆかりなどを聞き出したりと、和気あいあいのムードでステージが進行します。
5番目に出演した「栗原武啓 津軽三絃会」は、戸塚区在住の津軽三味線奏者・栗原武啓さんと、そのお弟子さんによる団体です。戸塚生まれの栗原さんにうかがうと「戸塚は東海道の宿場町だった歴史的背景が自慢の古い街ですが、最近の変貌ぶりには驚いています。駅前の再開発など新しい顔もありますが、少し歩くと昔ながらの自然豊かな姿もまだ残っています。さくらプラザ『春の芸術祭』には初めて出演しましたが、ホールの響きがとてもいいですね」と話してくださいました。
一方、ギャラリーでは6団体による作品が展示されていました。植物や風景を描いた絵画、似顔絵、子ども達による造形作品など、色鮮やかな作品が並びます。さまざまな世代の人が足を止めて、出展者と会話を交わす姿もありました。
3日間にわたり開催された「春の芸術祭2022」は、コンサートあり、アート作品の展示あり、手作り作品販売のマルシェありの、まさに「文化祭」のような活気と賑わいが感じられ、ここ「さくらプラザ」が地域の人々やアーティストたちに親しまれている様子がうかがえました。