避難訓練コンサートに参加してきました ― パシフィコ横浜・2020/1/31(金)

レポート 編集部のちょっとKeyになる! 音楽



気になる場所やアートイベントに行ってみたら、新しい発見があった!
そんな新しい扉を開く鍵=Keyになるかもしれない“気になる”を編集部スタッフが体験してきました。
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ホールなど、人が大勢集まる場所での観客参加型避難訓練。
横浜市内では横浜みなとみらいホールで2007年から実施されており、近年、全国各地で同様の取り組みが行われています。
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パシフィコ横浜では「避難訓練コンサート」を昨年初めて開催し、今回が2回目との事。
国立大ホールや会議センター、展示ホールなど、複数の施設を持ち、さらに4月24日には「パシフィコ横浜ノース」が開業されるということもあり、どんな防災対策をされているのか、気になったので行ってきました!

|イベントデータ|
名称 パシフィコ横浜 避難訓練コンサート
日時 2020年1月31日(金) 14:00~15:30 

会場 パシフィコ横浜 会議センター 1階 メインホール
料金 参加無料
出演 横浜市消防音楽隊(通常演奏及びドリル演奏)
主催 パシフィコ横浜

避難訓練コンサート
会場はパシフィコ横浜 会議センターのメインホール。
この日は、横浜市消防音楽隊による演奏とドリルチーム「ポートエンジェルス119」による演技があるということで、消防音楽隊ファンの方々もご来場されているようでした。
観客も避難訓練コンサートとわかって来ているので、場内には若干ピリッとした空気が漂います。

冒頭、パシフィコ横浜の統括防災安全管理者 梅津さんから「災害時においては会場及び主催のスタッフが一体となって対応にあたることが重要ですが、今日は観客の皆さまも防災について改めて考える機会にしていただきたい」などとご挨拶。お客様にとっても大切な訓練なのですね。

そして司会者から「演奏中のどこかで地震が発生、客席内に危険箇所があるためエントランスホールまで避難」という、一連の流れについて説明がありました。

演奏が始まると雰囲気は一転。緊張感が和らぐような明るい司会と、軽快なマーチ(スーザ作曲「海を越える握手」)でコンサートが始まりました。
2曲目のアンダーソン作曲「サンドペーパー・バレエ」では、楽団員が紙やすりやデッキブラシを使って音を出すといったコミカルな演技もあり、和やかに時は進みます。

避難訓練コンサート
しかし、3曲目くらいから「いつ地震がおこるのか・・・?!」と気になりはじめますよね。

その後も映画音楽やディズニーソング、そしてミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」と「サウンド・オブ・ミュージック」の名曲メドレーが続きます。
誰もが知っている「ドレミの歌」がかかったその時!!!!!

≪ティロン ティロン 緊急地震速報です 強い揺れに警戒してください≫
緊急地震速報の音が、場内に鳴り響きました。

避難訓練コンサート[写真提供:パシフィコ横浜]

観客や演奏者たちはとっさに頭を抱え、落下物などから身を守る姿勢をとります。

揺れが収まると、地震や津波の状況を知らせるアナウンスが入ります。
テレビもラジオもない場所で、さらにコンサートでは携帯電話の電源を切っていることも多く、瞬時に情報を得られないため、こういったアナウンスは助かります。

すると突然!一人の観客(外国人役)がパニック状態になり、英語で何かを叫んでいます。
すぐにスタッフが駆け寄り、場内には英語によるアナウンスが流れました。

大型の国際会議が多数開催されるということで、こういった海外の方への対応も想定されているようでした。

避難訓練コンサート
エントランスホールには、スタッフの誘導で次々と観客が集まってきます。「お怪我をされている方、具合の悪いお客様はいらっしゃいませんか?」といった声掛けもされており、一方で「場内のお客様、全て誘導完了しました」などといったスタッフ間の連携も聞こえます。

しばらくして「全員が避難を完了しました」とのアナウンスで、避難訓練は終了しました。

10分間の休憩を挟み、横浜市西消防署 宮川署長からの講評です。
その中で「災害時には正しい情報をしっかりと聞く事が大切」というお話がありました。自分自身はもちろん、外国の方、障がいをお持ちの方、高齢の方など、様々な人が周囲にいるので、声を掛け合い助け合うことが重要なんだなと改めて考える機会になりました。

さて後半は「ポートエンジェルス119」も加わってのドリル演奏です。「レ・ミゼラブル」の曲にあわせた俊敏な動きと、一糸乱れぬ一体感。避難訓練とはいえ、参加されたお客様も大満足だったのではないでしょうか。
避難訓練コンサート[写真提供:パシフィコ横浜]

あっという間に演奏・演技が終わってしまったのですが、ここからが面白かった!

アンコールに応えようと1人出てきたドラムの方と観客とでリズムの掛け合いが始まり、すると演奏者が2人3人とステージに戻ってきて、最後は楽団全員でアンコール「風になりたい」を演奏。

色々なお話を聞いたあとだったからか、皆で協力してひとつになり、災害も乗り越えていく・・・、そういったメッセージも込められているように感じました。

この日、演奏を聴いている時の「いつ来るんだろう・・・」という緊張感は、この時だけのものではなく、本来は生活をしている中でも気にかけているべきことだと感じました。もちろん、楽しい時には思いっきり楽しみたいので、そのためにも日頃からの備蓄や、外出先で非常口を確認するなどといった意識を高めることが大切ですね。



横浜市内では複数のホール、劇場でこういった参加型の避難訓練が開催されています。
今からでも申し込みが可能な、直近のイベントを2つご紹介します!

【開催中止】神奈川県民ホール 避難訓練コンサート
※開場時に「手荷物検査」訓練を行います。

日時:2020年3月12日(木) 開演14:00(開場13:00)15:10頃終了予定
会場:神奈川県民ホール 小ホール
定員:150名/要事前申込/2月27日(木)必着
演奏:神奈川フィルハーモニー管弦楽団団員による弦楽四重奏

https://artnavi.yokohama/event/6241/

 

【開催延期】避難体験 in KAAT

日時:2020年3月1日(日) 開演11:00(開場10:15)13:30頃終了予定
会場:KAAT神奈川芸術劇場 ホール
定員:500名/要事前申込/2月14日(金)必着
出演:立川生志、立川志の八

https://artnavi.yokohama/event/6242/

 

取材・文・写真:ヨコハマ・アートナビ編集部

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