神奈川フィルとは家族のような関係
音楽的にリスペクトし合う
2014年に神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任。以後、楽団と信頼関係を結んで音楽性を高め、また地域に根ざした活動でファンの拡大に貢献してきた、指揮者の川瀬賢太郎さん。神奈川フィルとの充実した関係性を「大切な家族のような間柄」と表現します。
「常任指揮者に就任する前、僕が神奈川フィルと共演したのはたったの2回だけ。ですからいわば、2回しか会ったことのない相手と結婚したようなものでした(笑)。それから6年。新婚の時期があり、いわゆる倦怠期もあったかもしれませんが、良い距離感を保ちながらともに歩むことができました。今はスタートしたときより、さらに高いところを一緒に目指している実感があります」
常任指揮者という立場で川瀬さんが担っているのは、「コンサートで指揮をすること以外では、年間のプログラムの方向性を決めることが大きな仕事」だそう。一年を通じてどんなレパートリーに取り組むかは、オーケストラの成長の方向性にかかわる重要なポイントです。それでも川瀬さんは神奈川フィルに対して、「5年後ここにたどり着こう、自分がそこに連れていく!というような考えはない」といいます。
「そういうのは僕のキャラではありませんから(笑)。がむしゃらに音楽を頑張っていて、気づいたら一緒にそこにいたというのが理想です。これからもお互い音楽的にリスペクトしあって、長く付き合っていきたいですね」