
フィリアホールから巣立って行った若手演奏家たちによるサマーコンサートでの演奏風景
フィリアホールでは、プロの演奏家が出演するのコンサートの他に、若手演奏家の支援にも力を入れています。そのひとつが、2013年度から5年間実施された「未来にはばたくドリームコンサート」です。
青葉区に住んでいる方々から音楽企画を募集し、企画した区民自身が運営まで行うという「区民企画」から始まった「未来にはばたくドリームコンサート」。当初は小学生から高校生を対象に、オーディションで選ばれた若者がプロの演奏家とステージに立つという、プロと『共演』することに重点を置いたプログラムでした。
「ソロの指導は受けられても室内楽(誰かと共演する)というのはなかなか機会が無い」「大学に入ってからでもチャンスが少ない」という声が若い人たちから聞かれ、企画を立ち上げたボランティアの方々も「室内楽はプロになると必ず通る道なので、早い段階から体験させてあげたい」という点を重視し、その思いをフィリアホールがサポートしました。
2018年からはフィリアホールが主催として運営を引継ぎ、参加対象を大学生から25歳の若手まで拡大して「フィリアホール室内楽アカデミア」と名前を変えて実施されています。

アーティスティックディレクターの海野幹雄(チェロ)、川田知子(ヴァイオリン) 、直江智沙子(ヴァイオリン)、須田祥子(ヴィオラ)、海野春絵(ピアノ) といった講師陣とのレッスンの様子 [写真提供:フィリアホール]
過去に参加された方々の感想を伺うと、大半の方が「初めてプロの奏者と一緒に演奏が出来てとても大きな経験になった」とイキイキと答えてくれるそうです。また親御さんからも、コンクールとは違った室内楽という経験をさせることができて、とても魅力を感じたと高評価を得られました。
こうした活動が定着するにつれ、修了生が後にコンクールで入賞したり、ソリストとして巣立って行く人も出始め、修了生をさらに応援するこれからのカタチとして発展させたのが、2年前からスタートした修了生コンサート。2021年には『「未来にはばたくドリームコンサート」&「フィリアホール室内楽アカデミア」修了生による「サマー・コンサート2021」』というタイトルで開催されました。
今回は出演される方々に直接お話を伺うことはできませんでしたが「室内楽の魅力を伝えたい、演奏を楽しんで欲しい」「コロナ禍でも、少しでも気持ちが晴れてくれたら」と、それぞれに思い入れのある楽曲を選び、ステージに立たれるとのことでした。